③婚活は少子化と非婚化の最前線   -女性の選択、理論とその実際-

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3-2 年収400万円未満の30歳代・既婚男性は何人くらいいるのか

年収400万円未満の30歳代・既婚男性は何人くらいいるのか

 

 さらに、賃金階級別の男性について各階層の既婚者・恋人ありの人数を算出する。所得階層別の既婚者・恋人あり男性の割合は、前章で概説したとおり、既に山田氏が「モテる構造」でデータを提示している。図2-2「30代男性の年収別婚姻・交際状況」がそれである。このデータを基準とし、3-1で試算した所得階層別の男性について既婚者・恋人ありの人数を計算する。
 例えば、年収300万円未満の30歳代男性は、3-1の試算によると約515万人である。また、山田氏および内閣府によると、2-2のデータより、年収300万円未満の30代男性において既婚・恋人ありの割合は既婚9.3%、恋人あり18.4%とされる。この2つの数値から単純計算すると、年収300万円未満の30歳代男性の既婚者数は約48万人(515万人の9.3%)、恋人ありの男性の人数は約95万人(515万人の18.4%)となる。同様に、賃金階層別の男性について、階層別の割合をもちいて、その人数を算出した結果が表3-2である。
 表3-2からは、既婚男性の数について、年収300万円未満が約48万人、年収300~400万円未満が約65万人いることがわかる。30歳代の既婚男性者数は、約167万人である。そのうち年収400万円未満の既婚者は、約113万人である。これは30歳代の既婚男性総数の実に68%にのぼる。
 さらに、既婚者と恋人ありの30歳代男性の数をみてみよう。既婚者と恋人ありの30歳代男性の数は、年収300万円未満は約143万人、年収300~400万円は約116万、合計では約259万人となる。同条件の30歳代男性の総数は348万人であるから、年収400万円未満の既婚者と恋人ありの30歳代男性は74.4%を占める。 

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