③婚活は少子化と非婚化の最前線   -女性の選択、理論とその実際-

婚活にまつわる研究・言説をクソ真面目に考察します。

第3章 低所得でも既婚・恋人あり男性は大勢いる

所得が低くても既婚・恋愛経験ありの男性は多い 第3章では、既婚・恋愛経験のある男性の実数(推計値)に着目する。そして、その推計を手掛かりに、通説を検討する。通説では、20~30代の男性を対象に、年収階層別の既婚率・恋愛経験率の割合を検証し、その…

3-1 年収400万円未満は30歳代男性の割合か

年収400万円未満は30歳代男性の割合か まず、30歳代の男性について、所得階層別の人数・割合を推計する。平成22年(2010年)に実施された国勢調査による男女別基準人口によると、30代の男性は、おおよそ927万人である。また、平成19年(2007年)に公表された…

3-2 年収400万円未満の30歳代・既婚男性は何人くらいいるのか

年収400万円未満の30歳代・既婚男性は何人くらいいるのか さらに、賃金階級別の男性について各階層の既婚者・恋人ありの人数を算出する。所得階層別の既婚者・恋人あり男性の割合は、前章で概説したとおり、既に山田氏が「モテる構造」でデータを提示してい…

3-3 年収400万円未満の30歳代男性・既婚者もしくは恋人ありは何%か

年収400万円未満の30歳代男性・既婚者もしくは恋人ありは何%か これを分かりやすく整理したのが図3-2である。既婚者、もしくは恋人ありの30歳代男性を賃金階層別の割合を円グラフで示してみた。 30歳代の既婚・恋人ありの男性全体に対して、年収300万円未満…

3-4 非正規雇用の既婚男性は何人くらいいるのか

非正規雇用の既婚男性はどのくらいいるのか 未婚化・非婚化現象において男性の所得が要因として論じられる際、男性の低所得化の原因とされるのが非正規雇用に従事する男性の増加である。「失われた90年代」と称されるように、90年代中~後半には長期的不況の…

3-5 夫婦ともに非正規雇用者の世帯数はどのくらいか

夫婦ともに非正規雇用者の世帯数はどのくらいか 確かに、非正規雇用者である男性を、単純に低所得者層と同義にしてしまうのは、拙速である。働き方が多様化している現代社会において、フリーランスであるが正規雇用従事者と比して、高所得である人も珍しくは…

3-6 考察①:年収400万円未満や非正規雇用でも既婚・恋人あり男性は結構いる

考察①:年収400万円未満や非正規雇用である既婚・恋人あり男性は結構いる 本章で説明してきたことを簡単にまとめると、以下のとおりである。 年収400万円未満の既婚もしくは恋人がいる30歳代男性の人数は、約259万人と推計される。これを所得階層に応じた既…

3-7 考察②:4人に3人をどう見るか

考察②:4人に3人をどう見るか さらに注目したいのが、30歳代男性について、既婚・恋人ありの総数に占める年収400万円未満の割合が約75%にのぼるということである。75%は、言い換えれば、4人に3人が年収400万円未満の所得層者であることを意味する。 年収…

3-8 結論

結論 本章で説明してきたとおり、恋愛や結婚に適した年齢層の男性は、多くが年収400万円未満である。また、そうした年代の既婚者や恋人がいる男性に限定した場合でも、4人に3人が年収400万円未満である。年収400万円未満である男性は、恋愛や結婚が難しいと…